いまこそ『資本論』 (朝日新書)

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ユーザーによる口コミ・評価

平均評価: 3.5 / 3件のユーザーレビューがあります

5人中4人がこのレビューを参考になったと投票しています

評価: 4 資本論のもっともやさしい解説書(2008-10-10)

本書はマルクスの永遠の古典「資本論」をやさしく解説したものである。
実際、こんなによく分かっていいの?というくらいに噛み砕いて、
「労働価値説」その他の重要な論点について解説してあり、
ひじょうに読みやすい良書だといえるだろう。
資本論について、簡単に知識を得るという意味ではもっともわかりやすい。

この本の読者は、少なくとも、古典派の考えた、労働価値説、
つまり、モノの値段は基本的にその生産に投下された労働量によって決定されるという説、
を理解することができる。
これによって、資本家というのは、
労働者の生み出した価値の一部を搾取しているという構図が
ひじょうによく理解できるのである。

この本を読んで、なるほど、と思った人には、ぜひとも
新古典派による現代ミクロ経済学の入門を読んで欲しい。
どこが違うのか、そしてなぜ、ピカソが1日で描いた絵が数億もするのか、
なぜ、トム・クルーズやブラッド・ピットが年に100億も稼ぐのか、
そういったことについて考えてもらいたい。

2人中1人がこのレビューを参考になったと投票しています

評価: 3 解説が余計(2008-09-16)

対話形式で資本論のエッセンスについてまとめたもので、新書という制約の中でとっつきやすい読み物に良くまとめたなという印象。著者本人以外の人物(著者の大学時代の指導教授とのこと)が解説を書いているというのは、文庫と違って新書には珍しいが、この解説がくせもので果たして必要だったのだろうか?解説中「資本論」の入門書として何冊か紹介されているのだが、最新のものは見当たらないとしてどれも古めのものばかり。もうちょっと近年のもので手軽に入手できるものはなかったのでしょうか?また、本論と異なり、文体が急に堅苦しくなるので読みづらい。

6人中5人がこのレビューを参考になったと投票しています

評価: 4 「凄い社会」の認識のために(2008-09-13)

来る衆議院選挙では日本共産党は議席を倍増、あるいは3倍増する可能性が高い。これまで、選挙に関心がなかった層、及び団塊ジュニアの多くが投票所へ足を運び日共に投票するからだ。いや、団塊世代そして株投資など思いもつかない高齢者、「負け組」4〜50代の票をも集め10議席を超えることもあり得る。
『蟹工船』や『資本論』ブームはその表徴ではあるまいか?

先ごろ出た的場昭弘の『超訳「資本論」』(祥伝社新書)についで、またぞろ新書版の『資本論』ガイドの登場だ。これは悦ばしいことではないかもしれない。佐藤優がドストエフスキーが読まれるということは不幸の証しだと言うその意味においては。世界は不幸なのである。
新書のお手軽カルチャーこそが、その不幸の元凶だと思料する評者からすれば尚更であり、事実『超訳』のほうは評価しないが、本書は資本主義社会を理解するための入門の入門としては意味のあるものだと思う。「使用価値」と「交換価値」から始まる太郎君、花子さん、先生の問答は軽いノリに見えるが真摯だ。いまの社会を知るための第一歩としては、高校生や大学1、2年生にも勧められる。
まあ、『資本論』自体の入門としては、本書は不十分である。
おそらく、相田愼一『経済原論入門』(ナカニシヤ出版)がスタンダードな教科書であるが、絶版のヨハン・モスト『資本論入門』(岩波書店)、その訳者大谷禎之介『社会経済学』(桜井書店)、フランシス・ウィーン『マルクスの「資本論」』(ポプラ社)あたりをお奨めしたい。

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