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水晶から見える明治日本、そして現代の日本(2008-08-15)紀行文に描かれる文章の善し悪しは、著者が見た情景が読者のイメージにいかに反映されるかにあると思う。その意味では、イザベラ・バードの紀行文は、あたかも純粋な水晶玉に映し出されるかのように鮮明に描かれている。
ただそれは、完全に客観公正という意味ではない。いくつかの箇所で、差別とも取り得る表現が見受けられるのは事実だ。しかし、これらは凝り固まった偏見によるものではなく、彼女自身の無垢な探求心が映し出したときに表れた表現であり、それゆえ反感を呼び出すことではない。無知による行き過ぎた表現は現代でも起こるものである。
彼女の探求心から生じる分析力は、時として読者の目を覚まさせる表現を生み出す。私はこの一文に現代の日本に通じる問題点を見抜いていたのではないかと、思わせる文章があった。
「頭脳の教育と活性化が人の特性とはほとんど関係なく行われている店、人間性のゆがみや矮小化が必ず起きるにちがいない点は要注意である。」
純粋な視点から思いがけない指摘を受けることがあることを想起させることに気づかされた。
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