
本書は、能、絵画、陶器などに造詣が深い白洲正子ならではの紀行エッセイ。能に橋掛り、歌舞伎に花道があるように、目的地にたどり着くまでのいわば「道草」のなかで、さまざまな発見があり、ドラマが展開していく。油日、滝の畑、宇治田原、宇陀の大蔵寺…。彼女がかくれ里をめぐる歴史探求の旅には、単なる寺社拝観や史跡探訪エッセイとは異なった趣やおもしろさがあるのだ。(猫濱奈緒)
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1冊だけ白洲正子を読むなら(2004-08-27)白洲正子の代表作としてあまりにも有名な傑作紀行文。高度成長期の観光ブームに背を向けて、知られざる山里や古寺に日本人の原点を求めて旅する白洲さんの姿は勇壮でいじらしい。とにかくこの本を一読すれば、神秘的で魅力的なかくれ里を旅してみたくなってきます。私もこの本に登場する個所はほとんど巡ったけれど(ほとんど自宅から日帰り出来ることに感謝。ありがとう白州さん。)、現在ではその多くが失われつつあり、ほぼ完全に湖底に没した村等もあるのですが、それでもこの本の魅力のためか、全ての個所で何かを感じられた気がしました。1冊だけ白洲正子を読むならこの本をお勧めします。そして、紀行文の本当の魅力は、追体験しないとわからないと思うので、かくれ里が完全に消滅しないうちに旅してみてください。
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説得力まったく無し(2004-02-08)前作の花日記と同じく、魯山人の芸術論を丸写しにした内容は、
滑稽としか言い様が無い。 京の隠れ里に潜む能的生活美といわれても、
たんなる隠し観光スポットの紹介と変わらず、場所や文芸とは
あまり関係の無い供述を無理やり引っ付けている感はぬぐえない。
まあ、白州は実際に芸術活動にかかわることは無く、人から聞いたことだけで論じているのであるから、机上の戯言になるのは自然な結果であるが・・・
とにかく、これを読むくらいなら、魯山人の芸術論を読んだほうが
百倍ためになる。
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白洲正子のマイ・ベスト(2002-05-28)白洲邸「武相荘」も一般公開された今日、白洲的な生活スタイルがなにやらブームになりつつある。彼女の手による骨董の薀蓄も、様々な職人との交流により織り上げられたエッセーも、それはそれで魅力的ではある。だが、今まで読んだ白洲正子の著作の中ではこれがベストだ。京都の街にたとえていうと、銀閣寺よりも同じ哲学の道沿いの法然院あたりに京都のよさを見出す、といったようなスタンスがこの本に感じられる。これぞ王道!というような文化遺産というよりは、歴史もいわくも因縁もあり、王道とも無縁ではないのだけど、歴史のメインストリームから零れ落ちた奥ゆかしいスポットに焦点をあてているからだ。ベッドサイドで幾度となく紐解きたい本である。
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