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127頁で3回出てくる「ルカ」はすべて「マタイ」の誤りだけど…(2008-06-17) 中沢さんは宗教の映画的構造をはっきり理解した人は、フォイエルバッハである、と位置づけます。フォイエルバッハが『キリスト教の本質』の中で語っているのは、《人間は自分の心に起こっていることを直接観察することができないので、それを幻灯機のような仕組みを通して、幻想のスクリーンに投影して見ることになる》ことであり、それは映画そのものだ、と。トリノの聖骸布のイエス像は最初に写真撮影が許可されたアマチュア写真家が現像したネガの乾版によって、初めて鮮明なイメージとしてあらわれたという話のもっていきかたも興奮させられます。31頁から描かれる、旧石器時代のホモサピエンスたちが洞窟の中で行っていたであろう「はじまりの宗教」の儀式の空想的なシノプシスも刺激的です。
取り上げられている映画の解説で良かったのは、『奇跡の丘』でしょうか。モーセがつくりあげた一神教がシステムとして出来上がってしまうと、イメージは抑圧され、戒律主義などモーセ思想の一面ばかりを強調するようになる《時代に、イエスはそのモーセの語っている「あるもの」とは愛である、と大胆にも語り出したのでした》というのが、中沢さん曰く「イエスからの唯物論的メッセージ」である、と感動的に解説します。
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