源氏物語と日本人―紫マンダラ (講談社プラスアルファ文庫)

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ユーザーによる口コミ・評価

平均評価: 5.0 / 1件のユーザーレビューがあります

15人中15人がこのレビューを参考になったと投票しています

評価: 5 個人の時代(2004-06-27)

 中学生の頃初めて読んだ源氏物語(と言っても漫画)は、光源氏の節操のなさや不誠実さばかりに腹が立ち、途中で挫折してしまいました。大人になった今、源氏物語は光源氏を主人公とした物語ではなく、それを取り巻く女性たちの生き方についての物語だったのだなあと思えるようになり、面白く読めるようになりました。 女性(だけに関わらず男性も)の生き方が多様化し、どう生きるかへの答えをそれぞれ個人で見つけ出さなくてはならない現代において、異性との関係や一般的な価値観だけによって、自分の幸せや生き方を定めていってもよいのか、それとも自分だけの生き方(物語)を模索し続けるのか・・・重い課題です。 河合隼雄氏ならではの、心理学的見地からの源氏物語論です。著者の昔話論やおとぎ話論などの中でも、これほど深く人(特に女性)の生き方に迫るものはないと思います。それは源氏物語自体の深さによるものかもしれませんが。。。