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愛らしさと暴力の隔たりにひそむ息づかい(2008-08-27)白いブラウスのテキスタイルに等間隔に並ぶ、1mmにも満たない黒のドットのひとつひとつが、錐で突かれたように穿たれている。熱線が瞬時に焼き貫いたのだ。──女学生の衣服を中心に、今も原爆資料館に残される被爆者の遺品を、まるで今も幽かに残された持ち主の息づかいを漉し取ろうとするかのように、時にライトテーブルで透かし、時に自然光に晒して撮った、小さな写真集。一瞥では奔放な風に煽られているかのようなかたちや風合いは、“その日”の爆風と混乱に引きちぎられた襟や肩口や裾を写真家や補佐した学芸員が丁寧に整えた結果と知って、言葉を失う。少女の身体を包む衣服は戦時下であっても機能性とともに愛らしさを忘れない。その守るべき愛らしさと無差別の暴力のあまりにかけ離れた隔たりに、ページを繰りながら静かに混乱する。あれは、天災だったのか。避けられない災難だったのか。
否、原爆は、人の手によってなし得た比類なき災いなのだ。
それを、この国の僕たちは、決して忘れてはいけない。
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重い、重い写真たち(2008-06-30)某雑誌の書評を読んで、即購入しました。
読む(観る)のには、時間はかかりません。
この本は、最後のページを閉じてからの時間が長い本です。
戦時中といえば、もんぺに代表されるような地味で色のない服が頭に浮かびます。
でも、ここに並べられている洋服や身の回りのものたちは、過酷な状況と長い年月を経て尚、色鮮やかさを失いません。
戦争の時代とはいえ、ある日突然、このような形でたくだんの人生が終わってしまうということを、どのように考えたらいいのでしょうか。
先日、東京の街を歩いていて、「今、この頭上に原爆が落とされたら…」と空を見上げました。
あの日に起こったことは、決して忘れてはならないと思います。
ぜひ、たくさんの国の方々に見ていただきたい本です。
美しすぎて、つらい(2008-06-27)多分、作為的に少女が遺した衣類を中心に、構成されています。
本編中に何の注釈もありません。
でも、それがより一層つらい。
遺された服が、あまりにも美しすぎて、
これを身にまとっていた少女たちがどうなったか、
考えるだけで、つらいです。
でも、戦争ってそういうもんなんだなあと思う。
戦争の残酷さを、際立たせる一冊だと思います。
美しい(2008-06-26)持ち主をとっくに亡くしてしまって取り残された服は、
保存の良さの為か今でもあでやかで綺麗な色を保っている。
そしてそれ故に生々しく、悲しい。
うちの娘に見せてみた。「綺麗!」と一言。
俺が原爆に就いて語ろうとすると「知っている」と答えた。
被写体は、
見る者がどんな感情を移入しようと無関係にそれ自体で輝き続ける事を教えられた。
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ひろしまを風化させないために、見てください(2008-06-17)読んでください、よりも、見てください。薄い本です。すぐに読めます。
これが、あの原爆で消えてしまったあの時の「ひろしま」の町を、
歩いていた、生きて、笑い、哀しみ、驚き、飛び跳ねて、
毎日を過ごしていた人々の、確かに存在していたという、
証拠の一つです。
洋服はものを言いません。でも、着ていた人の生活を、肌のぬくもりを、
その最期、灼熱の火で命を奪われるその日のことを、今に伝えています。
着物はものを言いません。時計も、靴も、その人が身に付けていたもの。
確かにその人が生きていた証拠、無言の訴え、沈黙の叫び。
平和を愛する人の心に届くように、平和を知らないですごす事の無いように、
この本を、物言わぬ「生活」のあった「ひろしま」を、
是非手に取ってみてください。
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