
平均評価: 4.5 / 8件のユーザーレビューがあります
水素の世界観に拍手(2008-11-12) 空で戦うことにしか生きている実感が持てない。
空に出ることでしか自分が認識できない。
それなのに、最後は地上に戻ってきてしまう。それが地で生まれたものの定めなのか。
水素の持つ空への憧れが、重たいくらいに感じられる一冊でした。
また、ティーチャに対する複雑な感情に関しても、直接的な表現は敢えて避け、それでも読者に分かりやすいように表現してあります。だって、地上では表情が乏しい水素が、彼を目の前に涙するなんて、大変珍しいことでしょう?
また、函南との絡みも気になります。今後の展開がどうなっていくのか、楽しみです。
スピード感(ストーリーの)が心地よかった。(2008-08-04)グングン読み進めていけちゃうような、おもしろさではないけれど、好感をもって主人公を追っていけるスピード感がよかったです。まだこの本を読んでいるときは、私もこの本の中で戦いを楽しんでいるようなお気楽さがありました。おもしろいな!!と思いで次の「フリッタ・リンツ・ライフ」へうきうきとした気分で手を伸ばしました。次からだんだんとミステリーです
砂漠の中で行き場を失った旅人のよう。(2008-02-24)スカイ・クロラシリーズの第3弾。
今回は草薙水素の戦闘時代が描かれます。
飛ぶことだけを夢見て、飛んでるときだけに『生』を感じる。
敵を落とし、仲間が死に、それでも戦う。なぜなら空に飛ぶことが自由でいることを実感できる空間だから。
スカイ・クロアシリーズで一環して語られている、この感覚。
飛ぶ=自由。
キルドレとして一生大人にならない体を与えられ、死と生のすれすれの空間で戦い続けているにもかかわらず、『死』に対して重く捕らえるところはなく、自由に飛びまわれるために余計な重さをそぎ落とした戦闘機散香のように、文体もただ飛ぶ=自由についてのみ純粋に描かれている。
だからこそ、負傷し翼を失った戦士キルドレ草薙の療養生活は、いかに憂鬱で不自由で、砂漠の中で行き場所を見失った旅人のように空虚感が浮き彫りになってくる。
森 博嗣の文体は、自由な空を飛び回って生き生きしているときこそ、短く、詩のように瞬間瞬間を表現している。
その反面、地上に降り立ち、人間や他の仲間と接する時間は機械のように冷たく、心がないようにも見える。
そんなキルドレだから、普通の恋などしたことがない。だからカンナミに出会うことで、今までにない不思議な気持ちに気づかされたのだろう。
時はスカイ・クロアより以前。草薙を形成する人格のひとつがここでも明かされる。
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ちょっと興醒め(2007-04-03)『スカイ・クロラ』、『ナ・バ・テア』に続くシリーズ第三弾です。
私はこの作者の小説は、このシリーズと「猫の建築家」(小説?)
ぐらいしか読んでいないのですが、飛行機とキルドレだけの
意味なき世界を描く、ストーリーの透明さに惹かれていました。
個人的には夏目漱石の「草枕」に通底するかのような感じを
楽しんでいました。
そういう意味では、本書は後半、「社会」だとか「マスメディア」
だとか、妙にリアリスティックな、余計な雑音がでてきて、
ちょっと興醒めしました。
続く物語はどんな風に展開するのか、楽しみです。
3人中3人がこのレビューを参考になったと投票しています
航空用語に躓きつつ・・・(2007-02-26) 森博嗣の小説を読むのが初めてでしかも小説自体最近全然読んでなかったのですが途中どきどきしながら読ませていただきました。なぜ何のために生きているのか、一対一の戦いだからどうせなら踊るように楽しもう、などところどころのに操縦士ならではの哲学的な考察や職業的な境地がみられ、考えさせられる場面もありました。
ちなみにエンロンとラダーの併用によって安定した飛行が保てるとのです。少し用語を学習したので戦闘シーンの切迫したスリリングな展開に注目して再読してみるとします。
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