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娯楽作ではない、本格的な、苛烈な愛の映画! アーシア・アルジェントが圧倒的!(2008-10-09)本作、フランス映画らしく、主題は徹頭徹尾「愛」。とは言ってもそれは、狂おしいほどの愛、極限の愛を描いたもの。残酷で破壊的、愚かで苛烈な愛。だから「レディアサシン」などというタイトルから想像されるような娯楽的なアクションや、メロドラマ的な要素を期待すると、がっかりすることであろう(原題はBoarding Gate)。これはあくまでも、ヨーロッパの、しかも娯楽的な興業性よりも、表現することに主眼をおいた映画。だから殺人や、逃亡のシーンは、むしろリアリズム的な生々しさで、荒涼とした感じで演出されている。そして、ヒロインの姿は痛々しい。苦悩し、精神的、肉体的に追いつめられ、ぼろぼろになって何度も気を失い、それでも憑かれたように、必死に闘いながら走り抜ける。その姿は、愛の渇きと、そして求めても得ることのできない愛の不毛以外の何ものでもない。しかし、そうした不毛さの只中に、直向きで純粋な何ものかが微かな光を放っている。あるいは反対に、あまりに純粋に愛を求め、純粋さを求めるが故に、普通の意味での愛の在り方を破壊せずにはいられないのだ、とも言うことができる。
ヒロインのアーシア・アルジェントは、素晴らしい! の一言に尽きる。その眼差し、その表情はもちろんであるが、華奢で脆さを感じさせながら、悲愴で、どこか強靱な緊張感を漂わせたその肉体が、既に演技以前の次元ですべてを表現している。だから、ファンでなくとも、これは一度は観てほしい作品。ともかく、これだけの磁力を持った女優、滅多にはいない。
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